健康のバロメーターのひとつとして、きちんと食事が摂れるかどうかがありますね。つまり、お腹の調子がいいかどうか。お腹の不調としては、下痢や便秘の症状が挙げられます。
経験した人も多いかと思いますが、下痢のつらさはたまりませんね。いやな汗が出て、気を失うくらいになり、同時に吐き気も伴うこともありどうしようもなくなってしまいます。
下痢の場合に効く漢方としては、体内の水のさばきをよくする胃苓湯や半夏瀉心湯があります。
一方、便秘一般には、大黄甘草湯。腹痛を伴う場合には、桂枝加芍薬大黄湯・桃核承気湯。胃腸が弱い場合や高齢者には、麻子仁丸・潤腸湯。
胃の不調の場合は、次の漢方薬が用いられます。
- 胃痛:安中散(漢方薬の中で唯一ケシ科の植物が入っている)
- 胃もたれ:平胃散
- キリキリした痛み:柴胡桂枝湯
- 食欲不振:六君子湯(グレリン〔食欲を亢進するホルモン〕の分泌を促進する)・補中益気湯(身体全体のバランスを整える)
- ストレス性胃炎:半夏瀉心湯
人前でプレゼンするときなど、よくお腹が痛くなりました。神経性胃炎ですね。このように発表などのときに緊張する人は、発表の十分前に半夏瀉心湯を飲めば、落ち着くことができるかもしれませんね。
<上記内容は、2017年1月5・12日号週刊文春の記事(P194 – P196)を参照しています。>